(2004〈平成16〉年6月〜7月) |
1) | FRP内面補強工法の熱硬化工法および光硬化工法によって施工された補修箇所の経年劣化状況を、TVカメラ調査により確認し、必要があれば工法の改善に資することを目的とする。 | |
2) | 補修材の耐久性および耐久年数についての調査をする。 | |
3) | 調査地域を限定せず全国的に行い、施工地域差の有無を調査する |
1) | 調査箇所は現場を限定しない方法とし、追跡調査の許可が得られる自治体とした。 | |
2) | 調査区域は、東北地区、関東地区、中部地区、四国地区、九州地区の5地区とした。 |
@ 東北地区
A 関東地区
B 中部地区
C 四国地区
D 九州地区
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1) | 調査対象管きょを高圧洗浄し、その後TVカメラ調査により写真撮影した。 | |
2) | 撮影されたビデオテープ、写真により評価・判定した。 |
1) | 熱硬化 熱硬化工法で施工された39箇所の調査結果は、経年5年、7年、11年経過していても、補修目的である浸入水対策は十分に保持されており、端部の樹脂ばり、一部ガラスクロスの布目・変色が見られるが、強度や機能上問題はないと判断される。またその他の事項については、別紙総括表のごとく十分な耐久性があることが本追跡調査により確認された。 |
2) | 光硬化工法 光硬化工法で施工された65箇所の調査結果は、経年2年、4年、5年経過していても、補修目的である浸入水対策は十分に保持されており、一部ガラスクロスの布目が見られるが、強度や機能上異常はないと判断される。またその他の事項については、別紙総括表のごとく十分な耐久性があることが本追跡調査により確認された。 |
3) | 熱硬化、光硬化工法による品質、出来型、耐久性について 本追跡調査により、FRP内面補強工法の硬化方法(熱・光硬化)の違いによる品質、出来型、耐久性等は何ら相違ない状態と確認される。特に耐久性について、熱硬化工法による補修箇所で施工後11年経過している材料についても何ら変化は見られず、十分な耐久性があることが本調査により確認された。また光硬化工法はまだ実施工10年は経過していないため、今後も継続調査をして確認する必要があるが、両工法に使用している樹脂および補強繊維の材質は同質であり耐久性は同じと考察される。また、施工時に発生した樹脂ばり部は、補修材の端部を保護し既設管に圧着している。補修材の摩耗現象は見られず、樹脂の耐久性・施工性の高いことが確認された。 |
4) | 地域差による施工管理について 本追跡調査は、全国の5地区において調査を行ったが、調査現場は当協会の各会員が施工した現場であり、その各会員による施工管理、施工技術差は見られず、品質、出来型、耐久性、同一基準で施工されていることが確認された。 |
5) | 追跡調査総括表
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2) | 関東地区 @ 調査内容
A 調査結果 本調査箇所は、既設管(陶管)に光ファイバーケーブルが架設された状態で、本管の部分補修をFRP内面補強工法(光硬化)で施工し、かつ低温度現場含浸型樹脂(MC-700A)を使用した補修箇所の2年後の状態をTVカメラ調査した結果は、施工直後の状態と変わりなく良好な状態を維持している。 低温度現場含浸型樹脂は、硬化発熱温度が光ファイバーケーブルに影響のない60℃以下であり、補修目的は既設管のクラック(A)、目地隙間(A)箇所であるが、光ファイバーケーブルを樹脂で包み、ケーブルおよび架設アンカー部の防護ともなっている。
【補修 No.2】 補修箇所
【補修 No.6】 補修箇所
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3) | 中部地区(1) @ 調査内容
A 調査結果 Φ250ヒューム管の目地よりの浸入水対策として、平成5年度にFRP内面補強工法(熱硬化)により補修した全目地部のTVカメラ調査の結果は、経年11年を経過していても、止水性能およびFRP表面状況(樹脂摩耗等)に変化は見られず、FRP施工物の高い耐久性が検証される。 また、表面に部分的変色が見られるものの、機能を妨げる状況ではないと考察される。
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4) | 中部地区(2) @ 調査内容
A 調査結果 Φ250、本管と取付管接合部の浸入水対策として、平成9年度にFRP内面補強工法(熱硬化)一体型により補修した接合部をTVカメラ調査した結果は、経年7年を経過していても止水性能およびFRP表面状況(樹脂摩耗等)は変化は見られず良好な状態を維持している。また、既設不良接合部に一体型が施工され、良好な施工状態を維持している。
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5) | 中部地区(3) @ 調査内容
A 調査結果 Φ250、本管と取付管接合部の浸入水対策として、平成12年度にFRP内面補強工法(光硬化)一体型により補修した接合部をTVカメラ調査した結果は、経年4年を経過していても止水性能およびFRP表面状況(樹脂摩耗等)は、変化は見られず良好な状態を維持している。また、本管部分補修箇所についても同様な結果である。
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6) | 中部地区(4) @ 調査内容
A 調査結果 Φ250、本管部分の浸入水対策として、平成13年度にFRP内面補強工法(光硬化)により本管および取付管接合部を一体型補修した箇所をTVカメラ調査した結果は、止水性能およびFRP表面状況(樹脂摩耗等)は、変化は見られず良好な状態を維持している。また、端部の樹脂が補修材端部を防護し安定した状態を維持している。
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7) | 四国地区 @ 調査内容
A 調査結果 13スパン25箇所の施工物について調査を行ったが、剥離・ハガレ等の異常は見られず、また浸入水の補修箇所についても、止水の効果が出ており良好な状態である。 FRP補修材は白色に見えるが、既設ヒューム管と同色なので、樹脂が変色したものではないと考察される。
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8) | 九州地区 @ 調査内容
A 調査結果 1スパン19箇所の全目地部の施工物について調査を行ったが、剥離・ハガレ等の異常は見られず、また浸入水の補修箇所についても止水の効果が出ており良好な状態を維持している。端部樹脂が圧着・接着されて、材料端部を防護し安定した状態である。 表面のガラス布目が見られるが、ガラスクロスと不織布によって樹脂が含浸され、規定厚み(マニュアル上)を確保されているので、物性強度の問題はない。
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